新元号が決まったので、改めて天皇陛下の退位について考えてみた

元号「令和」が決まった。自分が子どものころは明治・大正・昭和の3つの元号を生きた人はすごい長生きで生き字引のような人という印象であったが、今度は自分が昭和・平成・令和の3つの元号を生きる立場になったわけである。そして、自分が平均寿命まで生きて、今回の天皇陛下の退位が前例となれば、数十年後には令和の次の元号を生きることになるわけである。

 

歴史を振り返ってみれば、天皇(の即位退位)は常に政治利用されてきた。古くは保元平治の乱南北朝の動乱、近くでは明治維新で錦の御旗が薩長に利用された(幕府寄りだった孝明天皇崩御に関する疑惑は今でも消えていない)。

 

明治維新以降戦前まで天皇は現人神であった。そんな時代には天皇陛下が高齢で退位することなどは考えられなかったに違いない。今回の天皇陛下の退位の意向で、改めて我々国民は天皇陛下も人間であることを知ったわけである。第二次世界大戦の直後には、昭和天皇人間宣言があったわけだが、今回の退位は、平成の天皇陛下人間宣言と言えるかもしれない。

 

今回の天皇陛下の退位は、政治利用されないはじめての例かもしれない。それは平和を希求した天皇陛下の意向に沿うものだと思う。天皇陛下が政治利用されず人間として尊重される、そんな時代が続くことを願ってやまない。