今年30冊目 Sports Graphic Numberベスト・セレクション〈2〉

Sports Graphic Numberベスト・セレクション〈2〉 (文春文庫PLUS)

Sports Graphic Numberベスト・セレクション〈2〉 (文春文庫PLUS)

先日、ある方にハンドルネームの由来を聞かれたが、その理由はここに何度も書いているとおり、元近鉄ファンだからである。そして、(こういうと大げさかもしれないが)私の近鉄ファンとしてのアイデンティティーを決定付けたのが、「1988.10.19」である。「10.19の悲劇」は「江夏の21球」に匹敵するドラマだと思う。相手チームだけでなく、時間とも戦ったあのダブルヘッダーを、この文章はよく伝えていると思う。両チームだけでなく、放送したテレビ局の動きまで書いているところがこころにくい。
この本には、「10.19の悲劇」のほかにも興味深い文章が書かれている。そのなかでも最後の2作品「ブルペンから見た風景」「走らざる者たち」はスポーツを裏方の立場から見た作品として非常に面白い。