今年10冊目 坂の上の雲(六)

新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)

物語りもいよいよ後半です。さて、この一連の本を読むまでは私は乃木大将が好きではありませんでしたが、読むにつれ、だんだん親愛の情が湧いてきました。とはいっても、それは戦前の人が抱いていたような崇拝ではなく、どちらかというとその不運さに対する憐れみに近いかもしれません。私は乃木大将は三国志劉備玄徳のような存在だったのではないかと思います。突出した能力を持つわけではないが、人を惹きつける何かがあり、周りに有能な人間我集まれば大きな仕事をやってのける。ただ、乃木大将にとって不運の始まりは自分の周りの人間を自分で決められず派閥均衡の理論で決められてしまったこと。それにしても、ついた3人の参謀が無能→大怪我→病人とは不運としか言いようがありません。