今年21冊目 妻を帽子とまちがえた男

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)

病気について語ることは、人間について語ることだ。

彼女は盲目でもないし、身体が麻痺しているのでもない。表むきはなんともないのである。だから往々にして、嘘つきか馬鹿のように思われてしまう。われわれの社会では、外から見えないかくれた感覚に障害がある人たちにも、同じことが起きているのである。

この本に出てくる人たちと、自分との違いはなんだろうか。違いがあるように見えて、本質的にはないように思える。人間とは何かについて、深く考えさせられる本だった。