今年41冊目 悩む力

悩む力 (集英社新書 444C)

要は、「それが、その人にとって、信ずるに足るものであるかどうか」ということが重要なのです。そして、再び出発点に戻っていくようですが、それを信じるか信じないかというのも、個人の自由なのです。
ですから、究極的には、「信じる」ということは、「何かを信じる」ということではなく、「自分を信じる」ということになると思います。
言うなれば、「一人一宗教」「自分が教祖」なのです。

ですから、私は青春とは、無垢なまでにものごとの意味を問うことだと思います。

相互承認の中でしか、人は生きられません。相互承認によってしか、自我はありえないのです。

姜先生の人柄がしのばれる一冊。人間は悩んでいい。特に、宗教という心の拠り所がない現代の日本においては。そして、独りよがりになってはいけない。他者の承認あっての自分。私と一緒に一生悩みつづけていきましょう、と語りかけられているようです。私も姜先生と同様に、悩むことをやめず青春的に老成した大人になりたいものです。
『「何かを信じる」ということは「何かを信じると決めた自分を信じる」ということ』、この本のなかで、私が一番心に残った言葉です。