世界の辺境とハードボイルド室町時代

世界の辺境とハードボイルド室町時代

某書評メルマガで紹介されていて読み始めましたが、目から鱗が落ちすぎました。現代ソマリア室町時代の共通点から始まって、「さき」と「あと」の話、独裁者の平和志向の話、日本人はなぜ政府を「くに」と呼ぶのか、等々筆舌に尽くしがたい面白さです。この本を読んで改めて考えたこと、それは我々が当たり前と思っている「伝統」「常識」の起源がいつ頃の何なのかを考える必要があるということです。戦前か、明治維新か、江戸か、室町か、鎌倉か、それ以前の律令制度か。そして、その「伝統」「常識」ができる前には、別の日本があったと考えると、また違った世界が見えてきます。ちょっと本の内容からずれますが、例えば夫婦別姓の問題について考えてみると、そもそも江戸時代までは、名字は天皇を中心とする公家社会と武士のもので、その他の民には許されていませんでした(屋号はあったようです)。それが、明治3年の平民苗字許可令で許可され、明治8年の平民苗字必称義務令で義務化されました。つまり、公家と武士以外の人々の名字の歴史はたかだか150年しかありません。そう考えると「夫婦同姓でないと日本の家族観が崩れる。伝統が崩れる」といった意見がちょっとずれているように思えます。本の中にもありますが、今生きている社会がすべてではありません。現代が特殊だと考えると、また違ったものの見方ができるのではないでしょうか。

 今年読んだ本ベスト4

争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

スポーツノンフィクションの名作。こういう観点からスポーツを書いた本は少ない、と思う。自分が「争うは本意ならねど」強大な権力と闘わなくてはならなくなったときにこのような行動をとれるだろうか、そんなことも考えさせられる。自分の羅針盤となるかもしれない、そう思わされる本。

ぼくたちは戦場で育った サラエボ1992─1995

戦争中に子どもでいるってことは、子どもではいられないってこと!

1992-1995の旧ユーゴスラビア紛争のサラエボ包囲戦時に、当時サラエボで「戦時下の子どもたち」だった人々の声を集めた本。戦争とは何かは大人よりも子どものほうがよく知っている、そう思わされる。サラエボ出身のオシム氏も推薦の本。

天下 家康伝 <上>
天下 家康伝 <下>

今年亡くなられた火坂雅志さんの遺作。火坂さんの作品は「天地人」「真田三代」など、徳川家康を主人公と対立する役柄として書くことが多いが、この本はその徳川家康が主人公。「ああ、この人は家康をこのようにとらえていたのか」ということがわかり、「この人はこの本を書くために今までさまざまな歴史小説を書いてきたのではなかろうか」とさえ思わされる。火坂雅志という作家への評価が変わるかもしれない本。

1945年のクリスマス―日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝

日本国憲法に女性の権利を書いたベアテ・シロタ・ゴードンの自伝。憲法改正が叫ばれる今、読むべき本だと思う。自分はベアテと同じくらい真剣に憲法のことを考えているだろうか、そんなことを突きつけられる。

ビール大手4社の関東の7工場見学制覇!

さる5/5にキリンビール取手工場の見学に行ってきました。今回の見学時間は短いコースで工場見学に慣れている身としては取り立てて特別なものはありませんでしたが、GW企画ということで空き缶積み競争がありビールを飲みながら1位になり見事にキリン別格を2本ゲットしました(そんなところで本気出してどうする(苦笑))。


さて、ここで改めて見学に行ったビール大手4社の関東の工場を一覧と地図で見てみましょう。

最初に工場見学をはじめてから10年くらい経ったような気がします。一番思い出深いのはサッポロビール那須工場でしょうか。やはり、ビール作りは貴重な体験だったと思います(今もできるのかどうかわかりませんが)。そして、工場見学を知り合いに紹介するなかで名古屋や関西のビール工場や灘の酒蔵見学にも行くことができました。これからは、関東以外の地域の見学はもちろん、最近クラフトビールを飲む機会が増えたのでその工場の見学、日本酒醸造所やワイナリーの見学、特にマイクロファンディングで投資した醸造所の見学などをしたいと考えています。工場見学をして中の人の思いを知ったうえで飲むお酒はやはり格別です。

 弘前さくらまつり

遅ればせながら、写真をあげておきます。ちなみに、弘前城は現存12天守のひとつです。現存12天守制覇にまた一歩近づきました。









さくらまつりの後は長勝寺と革秀寺へ。津軽藩ゆかりの寺です。長勝寺青森県最古の木造建築だとか。








425祭 2日目

朝起きて、宿泊先のニュー泊崎荘の周りを散策。宿泊している人は工事関係者が多い模様。ここは半島の先端なので、ちょっと歩くと太平洋、逆に歩くと志津川湾を見ることができます。仮設住宅の標識もまだ残されていました。



歌津小太郎の千葉小太郎さん、孝浩さんと合流。歌津小太郎さんは私の応援(出資)事業者さんです。

歌津小太郎の旧工場跡地。津波は赤い社まで上がったとのこと(約16m)。

歌津小太郎の工場と新工場建設地。奥に見えるのが仮店舗。ファンドの出資金はこの新工場の建設費の一部に充てられるとのこと(建設費の8分の7は補助金とのこと)。ちなみに、歌津小太郎さんは最近催事などで大手デパートから引き合いがあるが、現在の工場だけでは生産が間に合わないので取引をお断りしているとのこと。非常にもったいない話。ここでいただいためかぶが非常に美味しかったので買おうとしたが、冷凍品とのことで諦めほかのものを買う。早く新工場ができてほしいと思う。

バスで移動がてら、ミュージックセキュリティーズの担当者の方の話を聞く。被災地応援ファンドでは、被災地の人が復興してほしいと思う事業者さんを応援しているとのこと。具体的には、その地域の地元の金融機関から事業者さんの紹介を受けているとのこと。またファンドが集まる事業者さんはそれが信用力になり金融機関も貸しやすくなるとのことで、なるほどと思わされる。

三陸復興市会場へ移動。昼食をとる。復興市会場の周りでは造成工事がすすめられています。

株式会社伊東の伊東社長と合流。南三陸防災対策庁舎へ。いろいろ考えさせられます。伊東社長は避難所となった中学校で流されていた家屋を見ながら、商店街をどう再生するかを考えていらっしゃったとか。


ふたたび南三陸さんさん商店街へ。買い物終了後、くりこま高原駅でツアーは解散。

今回のツアーを通して、被災地の中でも場所により復興のやり方が異なることを改めて知らされました。そして、そこに継続的に関わることの大切さを感じました。その方法として、被災地応援ファンドおよび今回のツアーはいい方法だと思います。単なる寄付でもなく、ふるさと納税などのように物目当てだけでもない。出資という形をとることで、株式投資と同様に一定の責任が生まれる。また、今回のようなツアーを通じて事業者さんと直接つながることができる。出資者の中には工場見学をされている方もいらっしゃるとのことで、私も自分が出資した事業者さんの工場見学をしてみたくなりました。

 セキュリテ被災地応援ファンド 425祭2015in南三陸

4/25〜26に、ミュージックセキュリティーズさんの425(フォー復興)祭に参加してきました。

4/25の11:10にJR一ノ関駅に集合。陸前高田に向かいます。陸前高田に入ると、かさ上げ工事のための巨大なベルトコンベヤーが目に入ります。全長3キロ。かさ上げ工事が完了するのは再来年の予定とのこと。一本松も遠くに見えました。

陸前高田箱根山テラスに到着。ここでランチ。話しているのは八木澤醤油の河野さん。ここは高台にあり、海が見渡せます。宿泊もできるとのことなので、いつか泊まってみたいところ。

おかし工房木村屋さんの新店舗に到着。新店舗は1月前にできたばかりとのこと。被災地の商店は仮店舗から本店舗へ移行する時期とのこと。ここで夢の樹バウムを購入。


いわ井さんに移動。ここで、酔仙酒造の多賀多を購入。

バスに乗って気仙沼に移動。高台から港をみる。気仙沼は漁港なので、陸前高田のような大規模なかさ上げ工事は行われていないとのこと。

アンカーコーヒーさんのマザーポート店に移動。ここも3月末にできたばかりとのこと。中に子供を遊ばせることができるスペースがありました。ちなみに、入口の碇は震災で流れてきたものを加工したものだとか。こちらでコーヒー豆をいただきました。

バスで南三陸に移動。さんさん商店街で事業者さんたちと夕食。食べ物もお酒も美味い。ちなみに、タクシードライバー喜久盛酒造さんは私の応援(出資)事業者さん。


(以下、d:id:ushi1019:20150426に続く)